―「静かな市場」は、チャンスの準備期間かもしれない
「最近、不動産市場ってどうなんですか?」
ここ数ヶ月、そう聞かれることがとても増えました。
結論から言うと——市場は静か。でも、止まってはいません。
2026年1月の最新データをもとに、今のメトロバンクーバー不動産市場で“本当に起きていること”を、できるだけわかりやすくお伝えします。
売買件数は大きく減少。でも「異常」ではない
2026年1月、メトロバンクーバー全体の住宅売買件数は 1,107件。
これは 前年同月(1,552件)から約29%減少、さらに過去10年平均より約31%少ない水準です。
数字だけを見ると「かなり悪い」と感じるかもしれません。
ただし、GVRのチーフエコノミストはこう説明しています。
「2025年は20年以上で最も取引が少ない年の一つだった。
その流れを考えれば、2026年1月が特別に悪いわけではない」
つまりこれは、突然の崩壊ではなく、“低調な状態が続いている”市場なのです。
一方で、売り物件は「かなり多い」
では、売り物件はどうでしょうか。
新規リスティング数:5,157件(前年比 -7.3%)
現在の総在庫数:12,628件(前年比 +9.9%)
10年平均と比べると +38%
ここが、今の市場を理解する重要なポイントです。
買う人は少なめ、でも売りたい人は多い。
このバランスが、市場全体に「慎重さ」を生んでいます。
価格はどうなっている?結論:大きくは動いていない
多くの方が一番気になるのが「価格」だと思います。
メトロバンクーバー全体(HPIベンチマーク)
全住宅タイプ平均:$1,101,900
前年比:-5.7%
前月比:-1.2%
タイプ別に見ると:
戸建て:$1,850,800(前年比 -7.3%)
タウンハウス:$1,043,400(前年比 -5.4%)
コンドミニアム:$704,600(前年比 -5.9%)
下がってはいますが、急落というほどではありません。
GVRの見立てでは、2026年も価格は「ほぼ横ばい」で推移する可能性が高いとされています。
カギは「Sales-to-Active Listings Ratio」
不動産のプロが必ず見る指標があります。
それが Sales-to-Active Listings Ratio(在庫に対する成約率)です。
2026年1月の数値は:
全体平均:9.1%
戸建て:6.7%
タウンハウス:11.1%
コンドミニアム:10.3%
一般的に、
12%を下回る状態が続くと、価格には下押し圧力
20%を超えると、価格が上昇しやすい
と言われています。
👉 今は明確に「買い手優位の市場」です。
では、買うべき?売るべき?
ここが一番大事なところです。
買い手の方へ
選択肢が多い
価格交渉の余地がある
焦る必要はないが、「良い物件」は静かに動く
準備ができている人にとっては、かなり戦いやすい市場です。
売り手の方へ
強気すぎる価格設定は長期化しやすい
「今売る理由」を戦略として整理することが重要
価格・見せ方・タイミングの設計がすべて
“なんとなく売る”と厳しいが、戦略があれば十分に成立する市場です。
「静かな市場」は、次の動きの前兆でもある
GVRはこうも述べています。
政治・経済の不確実性が落ち着けば、
これまで動けなかった需要(ペントアップ・デマンド)が
再び市場に戻る可能性がある。
それが2026年中なのか、もう少し先なのかは誰にも断定できません。
でも一つ言えるのは——
静かな時期こそ、正しい情報を持つ人が一番有利になるということです。
最後に
不動産は「ニュース」ではなく、一人ひとりの人生の話です。
今すぐ動くべきか
まだ待つべきか
自分のエリア・物件タイプではどうなのか
それは、データ × ライフステージ × 目的で答えが変わります。
もし気になることがあれば、
「まだ買わない」「まだ売らない」前提でも、いつでもご相談ください。
静かな市場だからこそ、
落ち着いて、賢い判断を一緒に考えましょう。
データ出典:Greater Vancouver REALTORS®
January 2026 Housing Market Statistics