― East・North・Southの3エリア徹底分析 ―
9月のバーナビー不動産市場は、「静かな再始動」の月でした。
価格調整と金利安定の間で、買い手も売り手も慎重ながら動きを再開。
一言でまとめると「価格が合えば動く市場」です。
🔍 1. スナップショット
→ 全体的には「落ち着いた回復局面」。
夏に冷え込んだ取引活動が戻り始め、秋の市況に希望の兆しが見えます。
🌇 2. エリア別の特徴とストーリー
■ Burnaby East:
価格調整を経て、ようやく動き出したエリア
Detached:HPI $1,877,400(前年比-5.3%)
Condo:HPI $750,800(前年比-4.6%)
Townhome:HPI $898,700(前年比±0.0%)
売買比率:Detached 15.5%/Condo 19.6%/Townhome 11.1%【9月時点】
📖 解説
夏に停滞した取引が、9月に入って明確に回復。
とくにEdmondsやThe Crestなど、駅近・生活利便性の高いエリアのコンドが動いています。
一方、戸建は価格を下げた物件のみが動く「現実価格市場」。
タウンハウスは底を打って横ばい傾向です。
■ Burnaby North:
タウンハウスが牽引。安定感あるエリア
Detached:HPI $2,032,800(前年比-4.7%)
Condo:HPI $715,400(前年比-3.7%)
Townhome:HPI $923,500(前年比-2.9%)
売買比率:Detached 10.5%/Condo 16.7%/Townhome 24.2%【9月時点】
📖 解説
BrentwoodやSFUエリアを中心に、タウンハウスが特に強い。
広さ・駐車・学校区などの“生活価値”が支持され、3エリア中もっとも堅調。
コンドは供給が多い分、築年・管理・眺望など“質”の違いが価格に直結しています。
戸建は高額帯が多く、慎重な取引。
■ Burnaby South:
全体的にスローだが、タウンハウスが上昇
Detached:HPI $2,143,800(前年比-0.5%)
Condo:HPI $801,400(前年比-3.7%)
Townhome:HPI $1,044,700(前年比+2.3%)
売買比率:Detached 6.6%/Condo 12.6%/Townhome 13.3%【9月時点】
📖 解説
メトロタウン周辺は供給が多く、買い手は慎重。
ただし、タウンハウスだけは前年比プラス。
“買って住める・貸しても回る”バランスの良さから、実需・投資双方の支持を得ています。
戸建はブランド立地(Deer Lake, Upper Metrotown)を除き動き鈍し。
📊 3. 市場の3つのキーワード
① 「価格が合えば動く」
8月の取引低迷で買い手が冷静化し、
「値ごろ感」を感じる物件にだけオファーが集中。
価格設定と戦略の差が結果を左右しています。
② 「実需回帰」
投機的な動きは減少し、生活利便性・管理状態・修繕履歴といった“中身”が評価される。
特にコンドでは、日照・眺望・騒音・管理費など“住み心地の質”が重視される傾向。
③ 「金利安定と心理回復」
9月時点で金利がようやく安定傾向。
これにより、買い手の再エントリーが始まりつつあります。
とはいえ、急回復ではなく「慎重な再始動」。
🧭 4. 今後どう動くべきか(立場別ガイド)
🏡 買い手(Buyers)
在庫が豊富な今が“検証のチャンス”。
同価格帯で築年・眺望・騒音・管理状況を比較しやすい時期です。事前審査(pre-approval)を早めに取得し、動ける体制を整えておくと有利。
タウンハウス・コンドは交渉余地あり。初期費用+管理費トータルで判断を。
🏠 売り手(Sellers)
今は「値ごろ感と第一印象」がすべて。
適正価格でリストされた物件は、依然として1〜2週以内に動いています。古いリスティングはリセットのタイミング。写真・説明文を刷新し、価格を現実的に調整することで反応が戻ります。
価格を強気に出すよりも、早期に適正値で出す方が最終手取りは多い傾向。
💼 投資家(Investors)
タウンハウスの安定性が目立つ。家賃上昇と低空室率が続いており、
今後も「長期保有×キャッシュフロー型」に適した資産。コンドは選別必須。
供給が多いエリアでは築浅・管理良好・駅近・低維持費を条件に絞るべき。戸建投資は価格調整を待つスタンスでOK。
土地価値重視で“レバレッジを効かせすぎない”のが今期の安全策。
💬 5. まとめ ― 「静かな仕込み期」へ
9月のバーナビー市場は、
「冷静に見極める買い手」と「柔軟に対応する売り手」のせめぎ合い。
コンドは取引活発で、実需回帰が鮮明。
タウンハウスは安定、長期保有・住み替えの好機。
戸建は依然厳しく、価格調整と見せ方が鍵。
秋から冬にかけては、市場の基調がさらに明確になります。
「金利が下がる前に動く」か、「春の再加熱を待つ」か
どちらにしても、この秋は情報収集と比較検討のベストタイミングです。
📚 出典:
REBGV REALTOR® Reports(2025年9月版)
Burnaby East
Burnaby North
Burnaby South