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金利ニュース:カナダ銀行が政策金利を0.25%引き下げ(2.50%へ)

金利ニュース:カナダ銀行が政策金利を0.25%引き下げ(2.50%へ)

(2025年9月17日・バンクーバー)

要点サマリー(まずはここから)

  • 本日、カナダ銀行(BoC)が政策金利を2.50%へ0.25%引き下げました。

  • 直近は3回連続で据え置きの後、昨年夏から7回連続で引き下げ(最後は3月)→その後3回据え置き→今回の再引き下げという流れです。

  • 多くの金融機関は数日内にプライムレートを4.70%へ引き下げる見込み(現在は4.95%が一般的)。変動型(可変型)金利HELOC直接的なメリットがあります。

  • 次回の金利発表は10月29日、その後12月10日。年内にもう一度の利下げを見込む向きも。

  • 固定金利はBoCの発表に即連動しません。主に国債利回りで動くため、米国の金利動向(本日米FRBも発表予定)や市場環境を見ながらじわりと変化します。

BoCは、「景気の弱さとインフレ上振れリスクの後退を踏まえ、リスクのバランスをより適切に取るための利下げが適切」と判断しています。


住宅ローンへの実務的インパクト(7つのポイント)

  1. 可変型(プライム連動)とHELOCは即メリット:一般に0.25%分の引き下げ。スコシア銀行の**アジャスタブル(支払額連動)**の場合、支払額も下がります。

  2. 固定金利は今日すぐ0.25%下がるわけではない国債利回り次第。直近は低下基調の場面もあり、5年固定を中心に追随下落の余地はありますが、様子見が基本。

  3. 支払額の目安(アジャスタブルの場合):借入10万ドルごとに月約15ドル減が目安。例:残高65万ドルなら月約$97.5(隔週払いなら約$48.75)の減少イメージ。※実額は商品・残期間で異なります。

  4. セットペイメント型の可変(大手行の多く):毎月の支払額は据え置き、その分元本返済が増える仕組み。

  5. プライムは4.70%へ低下見込み:主要行は通常、BoCに追随して0.25%引き下げを公表します(直近のプライムは4.95%)。

  6. 反映タイミング:アジャスタブル型は次回〜数回後の支払から反映。

  7. 今後のスケジュール10/29・12/10にBoC発表。市場の一部は年内もう一段の利下げを想定。


用語ミニ解説

  • 政策金利(オーバーナイト金利):BoCが誘導する短期の基準金利。今回**2.50%**へ。

  • プライムレート:各銀行の最優遇貸出金利。政策金利に概ね連動。4.70%への引き下げが見込まれます(現行4.95%)。

  • 可変/変動(Variable):金利がプライムに連動。

    • アジャスタブル:金利変化で支払額も変動

    • セットペイメント支払額は一定で、金利変化は元利内訳に反映。

  • 固定(Fixed):契約期間中の金利が固定。国債利回りの動向で水準が変わりやすい。

  • HELOC:プライム連動の住宅担保与信枠。金利低下の恩恵を受けやすい。

  • 保険付き(Insured)/保険なし(Uninsured)頭金20%未満=保険付きが基本。2024年以降の制度変更で初回購入者(FTHB)や新築購入では30年償還も利用可能になりました。


いま取るべきアクション(買主/売主)

買主

  • 事前審査(Pre-Approval)のアップデート:金利前提の更新で借入可能額支払額が最適化。

  • 固定 vs 可変の再検討5年固定は債券市場の動向に注目。可変は支払の柔軟性とリスク許容度で選択。

  • FTHBは30年償還の可否(新築や制度対象の条件)を必ず確認

売主

  • 需要の呼び戻しに期待:金利低下で検索活動・内覧が活発化しやすいタイミング。価格/在庫の最新データを踏まえて戦略を調整。


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金利環境が動くタイミングは、資金計画のアップデートや戦略見直しの好機です。購入・売却いずれも、最新データを踏まえて最適解をご提案します。